弁護士の年収はどのくらいなのか?

コラム

世の中には様々な職業がありますが、高収入のイメージがある職業といったら、やはり弁護士になります。
メディアなどに取り上げられる機会が多くあるので、知っている方が多くいると思います。
私も資格を取得してから7年くらいになるので、実際はどうなのかを説明していきます。

弁護士の年収の中央値は1200万円くらい

年収が多いイメージがありますが、実際は少ない収入が頑張っている人が多いです。
中央値は1200万円くらいになります。
これを高いと感じるか、低いと感じるかは人それぞれだと思います。
法科大学院を卒業して司法試験に合格しなければいけないので、1200万円くらいでは満足できない方が多いはずです。
資格を取得するまで多くの費用がかかっていますし、なかなか合格できなくて何年も予備校を利用することになれば、それだけ費用がかかります。
私はスムーズに合格できたので最小限の費用で済みましたが、30歳前後でやっと合格できた人は決して少なくありません。
小さな事務所だと200万円から300万円くらいの年収しかもらえないケースもあります。
また、取り扱う問題によっても大きく変わります。

刑事弁護はほとんど利益が出ない

収入が多いのは企業法務になります。
大企業などを顧客にしますし、お金のかかる問題に対処するため、たくさん稼ぎたい方に適した問題です。
一方で収入が少ないのは刑事事件です。
弁護士といったら刑事弁護のイメージがありますが、実際はほとんど利益が出ないのが現状です。
有名人や大企業の社長の弁護であれば多少は稼げますが、国選弁護になるとほとんどボランティアみたいな報酬になっています。
殺人事件などの重大事件の弁護は何年もかかることが少なくないため、非常にコストパフォーマンスが悪いです。
私は最初は刑事弁護を担当していましたが、年収が上がらないことに悩んで企業法務専門の事務所に移りました。
困っている人を助けることができるのでやりがいはありましたが、収入が少ないことに我慢できませんでした。

企業法務専門の事務所に移った結果、500万円から1600万円にアップ

企業法務専門の事務所に移った結果、500万円から1600万円にアップすることができました。
人によって年収がかなり変わるので、これから弁護士になろうと頑張っている人は現実をしっかり理解しておくべきです。
ドラマのように華やかな世界ではありません。
高級車に乗ったり、タワーマンションに住んでいる人はほんの一握りです。
稼げる仕事は他にもあるので、本当に自分がしたい仕事なのかを考える必要があります。
高収入が目的であれば、他の職業の方がいいかもしれません。
大手の事務所に入りたいのであれば、有名大学を卒業していた方が有利です。
資格を取得すれば弁護士になることができますが、知名度が低い大学を卒業している人が大手事務所に入れる可能性が低いことも知っておくべきことになります。
私は早稲田大学を卒業しているのでハンデにはならなかったので大丈夫でした。
少ない年収で頑張っている人がいますが、2000万円以上や1億円を超えている人もいるので、成功すれば高い収入を得ることができることは明らかです。
200万円や300万円くらいの人が多くなった要因は、弁護士の数が多くなったからです。
1990年代は15000人くらいでしたが、近いうちに60000人になると予測されています。
昔のように仕事を取るのも簡単ではない時代が、低収入を引き起こしていると考えられます。

まとめ

事務所に入って働くのではなく、開業する選択肢もあります。
しかし、顧客がいなければ高額な年収を得ることは厳しいため、開業も簡単なことではありません。
いきなり開業するのではなく、事務所で働きながら顧客との信頼関係を構築してからにするのが望ましいです。
早く稼ぎたい気持ちは理解できますが、焦りは禁物です。