オレオレ詐欺の被害が各地で相次いだ時期があり、それに応じて対策を呼び掛ける声も広がっていきました。
最も多い手口として挙げられるのは、息子や孫を装って金銭の提供をお願いすることです。
高齢者を狙ったものであり、本人だると勘違いさせることで、お金を振り込ませるパターンが多く見られます。
関係者が家まで取りにいくというパターンも少なくない
たとえば、息子が交通事故を起こしてしまい、示談金をすぐに用意する必要があるといったストーリーを捏造するのです。
本日中に支払えば許してもらえるなどと言って、急がせることも大きな特徴となっています。
振り込ませる方法以外に、関係者が家まで取りにいくというパターンも少なくありません。
いずれにせよ、高齢者の優しさにつけこむ悪質な詐欺行為といえます。
その対処法としてよく使われているのが必ず名前を尋ねることです。
しかし、犯人があからじめ名前を調べておけば、それを名乗ることによって回避されてしまいます。
あらかじめ合言葉を設定しておく
そこで重要になるのが、あらかじめ合言葉を設定しておくことです。
たとえば、電話をかけたときは最初にその日の天気を言うといった具合です。
飼っているペットの名前を告げるなど、いろいろなケースがありますが、いずれにせよ決めた当人同士しか分かりません。
それを言えない時点で、お金を騙し取る目的で接触している可能性があります。
とはいえ、高齢者のなかには、合言葉やそのルールを覚えている自信がないという人もいるでしょう。
犯人は言葉巧みにアプローチしてくるので、それを防ぎきれるか心配になるのは当然です。
固定電話を解約する
犯人に合言葉を忘れたと言われたら、それを信じてしまう高齢者もいるかもしれません。
そのようなことを懸念した結果、抜本的な対策をするケースも目立つようになりました。
それは固定電話を解約するという方法であり、携帯電話を契約して信頼している人にしか番号を教えません。
若い夫婦の場合は固定電話の必要性を感じず、最初から契約していないことも多いです。
一方、高齢者は固定電話を信頼できるステータスのように感じ、所有し続けているケースがよくあります。
単純に、携帯電話が苦手なので固定電話にこだわり続けている場合もあるでしょう。
どちらにせよ、固定電話の所有率の高さも詐欺の標的にされる原因の一つです。
その対策として固定電話を手放すことは有効な手段となっています。
まとめ
また、核家族化が進んでいることもこの犯罪を助長しています。
一緒に暮らしている若い家族がいれば、未然に防げたケースもたくさんあるでしょう。
遠く離れていると守れないどころか、自分に成りすまされてしまうリスクまで生じます。
したがって、子どもや孫の立場にある人は、日頃から高齢な親族に気を使うことが欠かせません。
異変が起こっていないからこまめにコミュニケーションをとることで、体調が悪くなって倒れるようなトラブルも避けやすくなります。
前述のように携帯電話に切り替えさせることで、GPSを使った見守りなども容易になるでしょう。