「就業規則で特に重要な項目について知りたい」
「自分が働いている会社で就業規則があるかどうか分からない」
企業にとって就業規則は法律ともいえる重要なものです。
労働に必要なさまざまな事柄が定められており、それに違反することは懲戒に値することもあります。
とはいえ、基本的には罰則ではなく、ルールを設けるために作られています。
もっとも分かりやすいのは就業時間に関する決まりでしょう。
出社と退社について定められおり、それを超えた場合の労働の取り扱いも書かれています。
ですから、残業に関して疑問がある場合もそちらを確認することで解決できます。
就業規則を作っていないケース
たいていの場合は入社時に手渡されますが、近年はオンラインでしか参照できない企業も増えています。
もし見たことがないなら、総務などに問い合わせて所在を教えてもらいましょう。
規模の小さい企業の場合、就業規則を作っていない場合もあります。
厳密には作成の拒否は禁止ですが、慣習的に押し通している経営者も珍しくありません。
まるで自分がルールブックと言わんばかりに、何でも独断できるようなワンマン社長にありがちです。
大きな企業から転職してきた人が、社長に突然そのように告げられて驚くのはよくある話です。
その場合は作成することを打診してみるのも一つの手です。
コンプライアンス的に良くないと教えてあげれば、監査を恐れて承諾してくれる可能性もあります。
いずれにせよ、これは例外的な話であり、基本的にはどのような会社にも存在します。
有給休暇に関する項目
また、就業規則のポイントとして有給休暇に関する項目が挙げられます。
以前は消化しきれない従業員がたくさんいましたが、今ではそのようなケースはかなり減っているのが実情です。
なぜなら、法律の改正によって取得が義務付けられたからです。
そのため、管理職は計画的に部下を休ませる必要があります。
そこで重要になるのが、付与日数や取得の仕方について詳細を把握しておくことです。
就業管理システムで対処していることも多いですが、そうでないところは規則を理解していないと失敗しやすくなります。
もし消化不良の部下がたくさんいいれば、労働基準監督署の指導を受ける対象になりかねません。
そうなると減給になるなど、企業内で罰則を受けてしまう可能性が高いです。
したがって、部下側だけでなく、上司側にとっても就業規則は必須の資料となっています。
最も多い就業時間に関する調整
もし実情と合わないと判断したら、内容の訂正を求めることも可能です。
最も多いのは就業時間に関する調整であり、テレワークが盛んになった昨今において、既存のルールは当てはまらなくなっています。
極端な話ですが、オフィスの座席に着席している間だけを労働時間と見なすなら、テレワークをしている人は勤務をしていません。
フレックスを導入する場合も同様であり、抜本的に見直しを進めていくことが大事です。
かつては、暗黙の了解的に見本とされるフォーマットがありました。
どのような企業も似たようなスタンスで働かせていたからです。
しかし現代は働き方が多様化しており、フォーマットがあってもほとんど役に立ちません。
自分の企業に合った内容を一つひとつ考える時代に突入しているということです。
総務などに問い合わせて確認する際の注意点
とはいえ、それだけですべての内容をカバーするのは容易ではありません。
疑問に思うことがあっても、詳しく載っていないケースも多々あります。
その場合も、やはり総務などに問い合わせて確認することになるでしょう。
載っていなくても質問を多く受けているうちに、口頭でルール化されていくことはよくあります。
ただし、総務といえども考え方が統一されていないこともあるので注意しましょう。
人によって解釈が異なることがあり、アドバイスに従って処理しても、別の人に却下される恐れもあるのです。
したがって、末端の従業員に尋ねるよりも、それなりの役職に就いている人に質問するのが得策です。
立場が違いすぎて難しいなら、上司経由で問い合わせるという手もあります。
大手企業では毎年更新して再配布するのが一般的
また、いったん就業規則を受け取ったからといって油断をしてはいけません。
大手企業では毎年更新して再配布するのが一般的となっています。
(参考・・・就業規則の変更手続きと不利益変更や同意書取得に関する注意点)
変更はないと決めつけていると、最新の制度についていけないケースもあるでしょう。
したがって、配布されるたびに中身をチェックすることが求められます。
全従業員に影響するような変化については、配布と同時に担当者から説明があるかもしれません。
たとえば、支給される交通費や社員寮の家賃が変わる場合などは、全員が把握できるようにレクチャーするはずです。
一方、一部の従業員にしか影響しないことは、口頭での説明はないと考えたほうが無難です。
形骸化していて誰も使っていない制度が廃止される場合もあります。
上記のような些細な変更を見落とさないように注意してください。
まとめ
また、疑問点があったらすぐに確認することも重要です。
実際のところ、変更された内容にミスがあるのは珍しい話ではありません。
企業としても即座に発見できることは大きなメリットです。
いったん運用が始まってしまうとなかなか補正できないからです。